« 2009/9に飲んだワイン色々 | Main | 1960 Ch. La Croix Blanche »

10/02/2009

COS

テラヴェールが最近ヴィナリウスとは別に輸入したロットをまとめて6本購入したので早速飲んでみた(下記1~6番)。7月に下記7番を飲んだ際にも書いているが、ボルドーの有名シャトーとは全く関係ないシチリアの生産者。COSは生産者3名の頭文字をとったもの(Giambattista Cilia, Giusto Occhipinti & Giuseppina Strano)だが、現在は3番目の方はもう関与していないようだ。場所的にはシチリア島の南東部のVittoriaにあり、最近DOCGに昇格したCerasuolo di Vittoriaの地区になる。以前はボルドー品種やシャルドネのキュヴェ(Le Vigna di COSの赤と白)をリリースしており、モダンな路線に少し向かっていた時期もあったのだが、現在は自然派的な手法も取り入れて、伝統に回帰しているようだ。ボトルの形も以前はボルドータイプだったが、現在は全て蒸留酒のような太いボトルに変更されている。現状のワインの印象としては、派手なところは全くなく、地元品種主体に素朴につくられたワインといえるが、全体的にやや重たいニュアンスがあって、やや好みからずれた感じ。私自身、基本的にNero d'Avolaという品種があまり好みでないというのが大きい。この内、どれかといえば、自然派系のキュヴェであるPithosの赤と白が面白かった。

1) 2004 Contrada Labirinto, Sicilia IGT / Az.Agr.COS(2009/9/22-23飲)
品種はNero d'Avola 100%。これが一番上のキュヴェ。小樽熟成とのことだが、新樽のニュアンスなし。色合いは濃いルビーであるが、濃厚すぎるというほどでもない。過熟感の強い南イタリア的な味わいが支配的で、個人的には今一つ苦手なタイプのワイン。

2) 2005 Syre, Sicilia IGT / Az.Agr.COS(2009/9/19-21飲)
Nero d'Avola 100%。濃度的には4番のNero di Lupoよりも濃く、上の1番よりも少し軽めという価格に比例した濃度。初めの内、やや樽ぽいニュアンスが前に出ていて今一つだったが、半日後落ち着いて飲めるようになった。1番のような過熟感はあまりないのだが、Nero d'Avolaという品種がどうも重たい感じで親しめない。

3) 2008 Pithos Bianco, Sicilia IGT / Az.Agr.COS(2009/9/19-21飲)
Grecanico 100%。ピトス(アンフォラという壷で熟成させ、SO2の添加もわずかにとどめたもの)の白。ラベルに素焼きの壷が小さく描かれている。色合いはくすんだわら色。自然派ニュアンスがかなりあるが、マイナス的な揮発酸等はなく、この手のワインを飲み慣れている人にとっては、極めてスムーズに飲めると思う。なかなか楽しめました。

4) 2007 Nero di Lupo, Sicilia IGT / Az.Agr.COS(2009/9/16-18飲)
Nero d'Avola 100%のキュヴェの中で最もカジュアルにつくったもの。軽めで若々しさが前に出たワイン。これもNero d'Avolaの個性によると思うのだが、今一つ好みとはいえず、なかなかグラスが進まない。

5) 2008 Frappato, Sicilia IGT / Az.Agr.COS(2009/9/13-14飲)
Frappato 100%。赤みが強く色合い。若いフレッシュさが前面に出ている。若々しい内に飲むべきワインだろう。Nero d'Avolaよりももう少し酸が強い味わいで、こちらの方が好みであるが、個人的にはもう少し軽やかにつくってくれた方がうれしい。

6) 2008 Rami, Sicilia IGT / Az.Agr.COS(2009/9/13-15飲)
Insolia 50%, Grecanico 50%による白。以前Ramingallo(畑のある地名)という名前だったワイン。
色はくすんだ黄金色。抜栓後ゆるやかに濃くなっていった。それほどくせは強くはないが、3番と同様に自然派系のつくりなので、好みが分かれるであろう。自然派系の白としては、南方系のニュアンスがはっきり出ている。

以下は8番を除き、ヴィナリウス(エノテカ・ワイン・セレクション)が輸入したもの。
7) 2006 Cerasuolo di Vittoria Pithos / Az.Agr.COS(2009/7/12-13飲)
ピトスの赤。品種はNero d'Avola 60%, Frappato 40%。色合いはそれほど濃くないルビー。まだ若いわりに少し熟成ニュアンスがあり、柔らかい味わいですいすい飲める。なかなか個性的だが、悪くない。Nero d'Avola 単独でなく、Frappatoが入って柔らかさが出ているのも良い。

8) 1996 Le Vigna di COS, VdT Bianco Sicilia / Az.Agr.COS(2004/3/5飲)
タベルナ・ロッサーナ青山店のグラス・ワインで飲んだもの。通常ルートで輸入されたものではなく、現地の個人あるいはリストランテの在庫処分品らしい。品種はシャルドネ(価格的には赤(11番)と同様に結構高い)。色はそれほど濃くない黄色。熟成により樽香等が落ち着いてきている。思ったほどねっとり系ではなく,少し安心。でもブルゴーニュのような酸の美しさはないので,CP的にはきびしいと感じる。

9) 1996 Cerasuolo di Vittoria / Az.Agr.COS(2003/4/13飲)
Cerasuolo di Vittoriaのノーマルキュヴェ。バックヴィンテージを購入したものを、シチリアワイン会で飲んだ。色はやや薄め。少し微発泡している。やや熱が入ったような希薄な感じも少しあり,今ひとつ。

10) 1996 Cerasuolo di Vittoria / Az.Agr.COS(1999/12/17-19飲)
9番とヴィンテージも同じワイン。色は赤みが強くそれほど濃くない。少し熟成して柔らかさが出てきている。タンニンは強くなく、南のワインとしては、酸が比較的はっきりしている。比較的軽めだが、飽きずに飲めるワイン。

11) 1995 Le Vigne di COS, VdT Rosso di Sicilia / Az.Agr.COS(1999/11/3-4飲)
CSによるボルドースタイルのワイン。かなり濃厚な色合い。味わいもなかなか濃厚ではあるが、果実味主体でエレガントさ、複雑さは今一つ。当時7000円ちょっとしたので、CP的には納得いかず。
以上

|

« 2009/9に飲んだワイン色々 | Main | 1960 Ch. La Croix Blanche »

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference COS:

« 2009/9に飲んだワイン色々 | Main | 1960 Ch. La Croix Blanche »