AmZ社輸入のイタリアワイン
AmZ(エイ・エム・ズィー)社は、フランスだけでなく、なかなか面白いイタリアワインを輸入しているのだが、知名度がほとんどない生産者・銘柄が多く、小売りで扱うショップも少ないため、あまり見かけないのが残念である。個人的には機会があるたびに購入しているのだが、今回も東急本店経由で取り寄せたワインを中心にコメントしてみる。
1) 1999 Costa d'Amalfi Ravello Riserva / Marisa Cuomo (2005/11/10-11飲)
Costa d'Amalfiはカンパーニャ州の海岸沿いのDOC名で、以前(2004/7にコメントあり)Furoreという村名(ワイナリーはこの村にある)の赤と白を飲んだ生産者。今回はRavelloという隣の村の畑からの赤で、品種はPiedirosso & Aglianico。
基本的な味わいはFuroreとよく似ているが、同時に飲んでいないため、はっきりした違いはわからず。モダンなTaurasiタイプのワインで凝縮感はかなりあり。
2) 2003 Ribolla Gialla, Collio / Tercic Matijaz (2005/11/26-28飲)
テリのある黄色。ぶどうの熟した感じが強い。軽いスタイルでもないし、Radikonのような自然派系でもなく、しっかりとしたタイプにつくっている。ただし、味わいは濃いのだが、あまりグラスが進まない。この品種に関しては、Radikonのような特殊なスタイルは別として、軽快なタイプ(例えば、Girolamo Dorigoのもの)に仕上げた方が好みである。酷暑の2003年という影響もあるかもしれないが。
3) 2000 Ribolla Gialla, Collio / Terpin (2005/12/3-4飲)
もう1本CollioのRibolla Gialla。基本的なつくりは似ているが、こちらの方が3年経過している分こなれている。これも力強いタイプで、あまり好みのタイプではない。
4) 2001 Trentino Marzemino Cuvee Poiema / Eugenio Rosi (2005/12/3-4飲)
Marzeminoという土着品種で、鮮やかな赤紫色で非常に濃いワイン。味わいはLagreinあたりと似ており、少し金属的なニュアンスもあるワイルドな味わい。食事と一緒に飲みたいワイン。
5) 1999 Barbera d'Asti San Antonio Vieilles Vignes / A.Bertelli (2005/12/4-6飲)
この生産者は全般に樽香がかなり強いモダンなつくりで、ピエモンテでは珍しいフランス品種(SyrahやRoussanne & Marsanne)も幾つかリリースしている。完全に国外市場をターゲットにしているようで、このワインでもVieilles Vignesというフランス語表記になっているのが面白い。
1日目、2日目は少し樽に負けて若干酸化したようなニュアンスがあり、さえなかったが、3日目は少し感じが変わり、リキュールぽい味わいが出て来て、むしろよくなった。酸は低めであまりバルベーラぽさは感じない。
なお、この生産者のBarbera d'Astiは、このSan Antonioの他にもう一つGiaroneというキュヴェがあり、こちらは2004/4に同じ1999年を飲んでいる。こちらの方は同様にモダンなつくりではあるが、もう少しバルベーラらしさがあった気がする。
6) 2002 Malvasia, Carso DOC / Zidarich (2005/12/6-7飲)
この生産者でまだ飲んでいなかった白ワイン(以前飲んだPrulkeという混醸物の白とTeranという赤(レフォスコ)は2004/6にコメントあり。)。
石灰岩地帯の非常に痩せた畑でつくられる。テリのある薄い黄色。きれいな酸味とふくよかな果物の風味。前回飲んだPrulkeと比べると線が細いが、味わい深さはかえってこちらの方が上かもしれない。今年飲んだイタリア白ワインではベスト3に入る。
7) 2001 Vitovska, Carso DOC / Zidarich (2005/3/16-19飲)
6)と同じ生産者。少し前に飲んだもので、珍しい地元品種Vitovskaの白ワイン。
少しグリーンも入ったようなうすい黄色。硬めで酸もミネラル感も樽香も強い。1日目よりも3日目の方がよかった。Prulkeや上記6)のMalvasiaと比べるとやや地味。
8) 2002 Falerio Cuvee Lucrezia / Le Caniette (2005/12/7-8飲)
RipatransoneというMarche州の南部の海岸沿いにある村の生産者。Lucreziaはオーナーの娘の名前からとっているそうだ。
Falerioは白のDOC。品種は40% Trebbiano, 30% Passerina, 15% Verdicchio & 15% Pecorino。やや深みのあるテリのある黄色。新樽のニュアンスはなく、ボディはさらっとしているが、味わいは思ったよりも複雑で後に蜂蜜のようなニュアンス残る。少し抽出が強いせいかもしれないが、アフターにやや苦味成分が残るのと、若干であるが酸化したようなニュアンスもときおり感じられる点が気になるところだが、冷やし気味で飲めばあまり気にならず価格相応(2000円以下なので)。
9) 2002 Offida Pecorino Cuvee Io Sono Gaia / Le Caniette (2005/6/4-8飲)
8)と同じ生産者の白だが、こちらは今年6月に飲んだもの。Offida はDOC名。100% Pecorinoで樽熟したワイン。ワイン名は、「私はGaia」で、こちらもオーナーの娘の名前からとっている。若いワインとしては、かなり濃い色合い。かなり濃厚でかすかな甘み、モカぽい風味もあり、アルコール感も高め。おもしろいワインだが、あんまりたくさんは飲めない。
以上
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